El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

万暦赤絵

 

万暦赤絵―他二十二篇 (岩波文庫 緑 46-3)

万暦赤絵―他二十二篇 (岩波文庫 緑 46-3)

  • 作者:志賀 直哉
  • 発売日: 1987/10/01
  • メディア: 文庫
 

志賀直哉「万暦赤絵(他二十二編)」(岩波文庫)読了。志賀直哉の自選短編集。かなり身の回りの出来事を文章にすることで昇華しているようなところがある。ぼくもここまで冷静に彼女のことを文章にできるなら・・・一歩抜け出せるのかもしれないが、そういうこと自体がつらいような気がする。せめては日記に思いだけでもつづるのが精一杯というところ。次は現代小説を読んでみようというわけで、蓮見圭一「水曜の朝、午前三時」(新潮文庫)・・・帯に児玉清絶賛「こんな恋愛小説を待ち焦がれていた。私は飛行機の中で涙がとまらなくなった・・・」につられて久里浜の書店でかったもの。