El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

絶望の精神史・どくろ杯・ねむれ巴里 etc

 晩夏に金子光晴を一気読み

 20050827 金子光晴「どくろ杯」(中公文庫)読了。そのあまりに無鉄砲な生きざまがどうして可能だったのか。上海から南方ではもう本当にその場しのぎの毎日。こういう青春が昭和の始めにあったということ。文章のリズムがよいのでさらさらと読んでいくのだが内容は暗く切実だ。

20050830 「オブローモフ的」という言葉がある。ゴンチャロフの「オブローモフ」に由来する。いかにもロシア的な人間像。私は金子光晴「絶望の精神史」に書いた日本人像に「きわめて日本的」な人間像をみたような気がする。そんな人間像を描けたらと思うが。

20050831 気分転換もかねて金子光晴の「どくろ杯」に続く旅行記「ねむれ巴里」「西ひがし」「マレー・蘭印紀行」を読んでいく。しかし、あっというまに8月も終わり。