El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

戦争と平和

最後に難関が待っている

戦争と平和 (一) (岩波文庫)

戦争と平和 (一) (岩波文庫)

 

 第一巻を読了。もう四分の一が終わってしまった。アウステルリッツの戦いまで。20050608

「戦争と平和 第二巻」を読了。ナターシャがやくざ男に惹かれていってしまうことのおろかさは、女性という存在の悲しみ、一気に読ませる部分だった。20050616

「戦争と平和」全4巻読了。6月初めから7月9日まで週に一冊400ページ。実感としては司馬遼太郎風味で実力を100倍くらいにしたものとでも言えようか。特にこの作品は歴史物語、恋愛模様、トルストイの歴史エッセイが渾然一帯となりそれぞれが他の主題の理解を助けながら仕上っている。ただし最後の歴史哲学部分はやや難解で、その前に(エピローグの1で)、歴史は移り変わるが人間の暮らしは繰り返し…ということで恋愛模様の部分は終わってしまうので、その後にあの難解な歴史哲学を読むことは大変。しかし、これだけの小説を構成できるということはさすが文豪。20050709