El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

デイヴィッド・コパフィールド

 

「デイヴィッド・コパフィールド(1)」読了。やさしい文章で軽妙に、成長していくデヴィッドが描かれる。「月々の出費が収入の内なら天国、収入以上なら地獄」という絶対の真理は先日来の○○のダンナ事件があっただけに身につまされる。そういえば、あのあと週末に真実の告白がありあの事件はあの家族の間で解決しそうだ。まこと人の世でカネについては、くだらないとは思うけれども学ぶこと多し。20050516

ディヴィッドとドーラの新婚生活が話しの中心か。かわいらしいだけで無為、無能の妻。結局ドーラは病死することでかたがつくのだが、ヨメサンが元気な自分はどうかたをつけたらいいのか。

昨日「デイヴィッド・コパフィールド」(全5巻)を読了。書評めいたものはモームの「世界の十大小説」に書いてある通り。人物造形のおもしろさと最終的なお気楽さ。まあ19世紀に書かれたものだから。こう読んでくると近代小説はナポレオン(あるいはフランス革命)以前・以後でかなり変化している。登場人物ではやはりスティアフォースが興味深い。逆の意味では才気煥発な美男の彼が結局女性によって破滅に追い込まれたとも言えるわけで、この点もトム・ジョーンズを引き合いに出してモームか書いている。20050601