El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ゴリオ爺さん

 今度はおれがラスティニャックさ

ゴリオ爺さん (上) (岩波文庫)

ゴリオ爺さん (上) (岩波文庫)

 

 世界の十大小説の読破をめざしてバルザックゴリオ爺さん」(岩波文庫)を読み始める。バルザックは1799年生まれ。ユゴーと同じくらいなんだ。ナポレオン後のフランスを描いているが、ユゴー人文主義的なのにたいしてある種の社会の退廃を炙り出すように書くバルザック。とくに「ゴリオ爺さん」では、勤勉ではなく女に取り入ることで身を立てようとするラスティニャックが主人公。図書館で借りた「バルザックの世界」よ読んでいて「女に寄りかかって生きるっていいなあ」と○○さんの顔を思い浮かべて思ったのだがその思いは幻だったのか。20050418

バルザックゴリオ爺さん」読了。いやあやはり読ませる。全体の構成のしっかりした感じは職人技でフローベールスタンダールとは一味ちがう。20050423