El librero la Fontana / ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

赤と黒

人生は栄達と恋愛からできている

赤と黒〈上〉 (岩波文庫)

赤と黒〈上〉 (岩波文庫)

 

 スタンダール赤と黒(上)」(岩波文庫)読了、引き続き下巻へ。階級社会で下層に生れた才知あるジュリアン・ソレル。その上昇志向とからんだ愛。世に出たいという欲と愛欲があるときは順方向にあるときは逆方向に回る。ボヴァリー夫人が女性の立場であり、ジュリアン・ソレルは男性の立場。20050329

フランスの小説を読んでいると主人公の恋愛は人生の半分以上を占めているように思えることが多い。「赤と黒」のジュリアン・ソレル、人生は栄達と恋愛からできている。恋愛にかかわること(love affair)とそれ以外、そんな分配だ。しかし、現代の人間はどうだろう。恋愛が多くの生きる要素のうちの部分的な一つに成り果てているのではないか。愛するために生き、そのために働く…そんな時代があったような気がするのだが。いやいや日本では考えにくい。確かに近松の世界なんかはそんな感じだが、幕藩体制の官僚機構は機構維持のための人間作りとしての婚姻制度+側室でやってきた。そのうちの官僚的な部分だけが今も残っているというわけか。どうりで自由な恋愛を考えると不自由になってしまうわけだ。20050406

赤と黒」ジュリアンに死刑判決。今日中に読了するだろう。20050407