眠られる夜には「幸福論」
20040712 電車ではヒルティ「幸福論(第一部)」を読んでいる。これまででは
・仕事の上手な仕方
・この世の子らは光の子らよりも利口である
の2章は秀逸である。逆にエピクテトスは論旨がぼやけがちで、読書力が不十分であればとばして読んでもよいと思われる。夏休み読書にはいるまではヒルティを読む。
20040728 ヒルティ「幸福論(中)」を読了。はっきりいってキリスト教が前面にでてきている章はつらい。本文と注釈が同じくらいの分量なのだがキリスト教関係の注釈はほとんど飛ばして読んでいる。ファゲの「ゆっくり読むという才能」がないのだ。ここまででは(上)冒頭の「仕事のしかた」がもっとも現実的、かつヒルティの思想の実践論として役に立つ。最後に再読すべき。
20050213 労働・仕事・勤労に関する考察はヒルティ「幸福論」の冒頭にもありほぼ同じ内容のことを言っている。ヒルティは1909年に亡くなっているのだが、その晩年には産業革命やロシア革命を認識できていたのだろうか。それらの社会変革が勤労の喜びを奪い去っていく事に思い至っていたのだろうか。古典の教えとその古典と自分の間にある「差異」、そこに20世紀がもたらした何物かが見え隠れする。