El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

羅生門・鼻・芋粥・偸盗

芥川竜之介ウィーク

羅生門 鼻 芋粥 偸盗 (岩波文庫)

羅生門 鼻 芋粥 偸盗 (岩波文庫)

 

 20040601 今週は「芥川」、岩波文庫の芥川作品、所蔵の7冊を読破予定。大きな出来事も無く、帰りの電車の中で羅生門・鼻・芋粥・偸盗」を読了。初期の王朝ものということで、若い日の才気あふれる感じがつたわってくる。「偸盗」以外は、なんだかんだで学生時代に読んでいるのだろうが、今昔物語とごちゃごちゃになっていたりしてあらためて芥川の才気の部分がわかった。「偸盗」は、動きの描写がとてもよく意外な感じだ。この後は番号順ではなく、発表年代順に読むことにする。

20040609 芥川竜之介読みついでいるが、だいぶ辛気臭くなってきた。地獄変・・」中村真一郎の解説が秀逸だった。これまで読んだところでは世間の評判通りに名の知れた作品が良い。「奉教人の死」「トロッコ」「杜子春」「偸盗」あたり。あとは、「河童」「侏儒の言葉」「歯車」など自殺前の神経症的な作品が残っている薄いものなのでさっとよめよう。