El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

富士正晴(ちくま日本文学全集)

茨木にある記念館に行ってみたい

 非情におもしろかった。文章も、関西人らしいテンポのよさがある。戦争ものも、場面の切り取り方が大仰でなく心に残る。「あなたはわたし」「帝国軍隊に於ける学習・序」「童貞」「坐っている」などが特に良かった。全集本を読みたいという気持ちにさせる。文芸文庫で「桂春団治」があるがまずは図書館にあたろう。