El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

カンディード

わたしたちの畑を耕さねばなりません

カンディード 他五篇 (岩波文庫)

カンディード 他五篇 (岩波文庫)

 

 朝の電車でヴォルテールカンディード」(赤518-1)読了。ハイテンポで世界中を駆け巡る。そして最終行にてカンディードいわく「何はともあれ、わたしたちの畑を耕さねばなりません。」と。ヴォルテールの才人ぶりがみごとに表れている。しかし、解説にもあるが多くの著作中で現在読まれているのが「カンディード」のみであることは、彼が結局は一個の流行児でしかなかったということなのだろうか・・と、松岡正剛の分析を読んでいる私は思ってしまう。