El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

死霊 全3巻

結局、わからなかったのかもわからない

死霊(1) (講談社文芸文庫)

死霊(1) (講談社文芸文庫)

  • 作者:埴谷 雄高
  • 発売日: 2003/02/10
  • メディア: 文庫
 

 200140209 2か月かけて「悪霊(あくりょう)」に引き続いて「死霊(しれい)」を読了す。ついには何らも明らかでなく、何が示されたのかもわからない。しかし、それこそが作者の意図か?

自同律の不快

何が自分であるのか

革命上部は恒に反革命的になる

などなどアフォリズムには心揺さぶられた。いつかまた読む日があれば。(書き込み)

(日記には)

朝の電車でついに、ついに、ついに「死霊(しれい)」全3巻9章を読了。こいつはちょっと骨だった。カントやハイデッガーゲーデルを呑み込んで、結局、存在の…究極は、わからない…。諸所にアフォリズムとしては「自同律の不快」「自分が何であるかではなく、何が自分であるかと問え」などなどいくつもの言葉が残った。