El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

失われてゆく、我々の内なる細菌

抗生物質で太ります! 失われてゆく、我々の内なる細菌 作者:マーティン・J・ブレイザー 発売日: 2015/07/02 メディア: 単行本 この本、「失われてゆく、我々の内なる細菌」というタイトルでは???ですよね。ところが一読してすっかり著者のブレイザー教授…

民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉

てんこ盛りの25年間・・・最後は「万歳!」 民権と憲法―シリーズ日本近現代史〈2〉 (岩波新書) 作者:牧原 憲夫 発売日: 2006/12/20 メディア: 新書 平成になって30年、どうも代わり映えしないような気がしていたが・・・明治維新からの25-30年(本…

ブックガイド(22)女性のネットワーク力でノーベル賞!?

——女性のネットワーク力でノーベル賞!?—— CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見 作者:ジェニファー・ダウドナ,サミュエル・スターンバーグ 発売日: 2017/10/04 メディア: 単行本 気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新…

たまもの

男は何よりも「イイ」に弱いのよ たまもの (ちくま文庫) 作者:神藏 美子 発売日: 2018/03/07 メディア: 文庫 いるよね~。確かに、こんな女性にあんな男性にあんな男性。坪内祐三の2000年前後の記録として読める。著者の神蔵さんはきっと「イイ」んだろうな…

脳の意識 機械の意識

「脳の意識」を「機械の意識」から教えられる日がくる? 脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者:渡辺 正峰 発売日: 2017/11/18 メディア: 新書 脳科学とはこんなことをやっているのか。実験のくみたては非常におもしろいが、遺伝子工学(…

幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉

侍たちの会議力・・・! 幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書) 作者:勝生, 井上 発売日: 2006/11/21 メディア: 新書 日本史もいろいろ新しいことがわかってきて、過去の通説が否定されるなんてことが頻繁におこっているので、一度、最近の研究者…

草薙の剣

だから今を生きるしかない・・(2019/1/29死去 追悼) 草薙の剣 作者:治, 橋本 発売日: 2018/03/30 メディア: 単行本 なるほど10歳ごと歳のはなれた6人の男性主人公をその父母・祖父母・子とからめながら日本史をたどれば、読者だれもが自分をそして自分…

ブックガイド(21)抗生物質で太ります!

——抗生物質で太ります!—— 失われてゆく、我々の内なる細菌 作者:マーティン・J・ブレイザー 発売日: 2015/07/02 メディア: 単行本 気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新の医学知識をゲットしよう。そんなコンセプトでブックガイド…

人口減少社会の未来学

人口減少社会、これだけバラバラな論説が出ることが、煮詰まらない証拠 人口減少社会の未来学 発売日: 2018/04/27 メディア: 単行本 人口減少社会の未来について、いろいろな視点からの知見をまとめた本を編みたいという内田樹の呼びかけに10人の論客+内田が…

バテレンの世紀

こういう「おまとめ本」にはそれなりに意義はある バテレンの世紀 作者:京二, 渡辺 発売日: 2017/11/30 メディア: 単行本 バテレンの世紀 を読む。冒頭、なぜポルトガル人なのかということがよくわかったのは収穫。キリスト教徒というのは随分かってな理屈で…

フーコン戦記

帰還せる兵士もみんな死んでいく昭和はるかな平成の末 フーコン戦記 (文春文庫) 作者:古山 高麗雄 発売日: 2003/04/10 メディア: 文庫 古山高麗雄戦争三部作最後のフーコン戦記が書かれたのは古山70代後半の頃か。古山自身はその数年後の2002年に81歳で亡く…