El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2017-01-01から1年間の記事一覧

ローマ人の物語

43冊は読めん・・ ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 発売日: 2002/06/01 メディア: 文庫 「ローマ人の物語」文庫で1~5まで、つまりはじめからカルタゴ滅亡までを読了。全42巻なのでまだまだなのだが、こ…

ヒマ道楽

ヒマが好き! ヒマ道楽 作者:坪内 稔典 発売日: 2016/12/10 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「ヒマ道楽」(坪内稔典)を読む。タイトルに惹かれて読んでみたがなかなかおもしろい。彼の著作には老化を扱ったものが多く、もう一冊くらい読んでみるか・・。

光秀の定理

Bayesの定理のシロウト解釈 光秀の定理 (角川文庫) 作者:垣根 涼介 発売日: 2016/12/22 メディア: 文庫 「光秀の定理」読了。底が浅いような気もした。Bayesの定理といえるのか?これ。愚息のマジックは言えるが、光秀の選択は言えないような。

パリ、テキサス

ハリー・D・スタントンとは遺作ラッキーまで長い付き合いに パリ、テキサス デジタルニューマスター版 [DVD] 発売日: 2006/08/25 メディア: DVD 好きな映画のひとつ。随分前に見たと思うのだが、久しぶりに見るとまるで初めてという感じ。N・キンスキーがも…

故郷

amok 故郷 (岩波文庫) 作者:パヴェーゼ 発売日: 2003/06/14 メディア: 文庫 パヴェーゼ「故郷」をほぼ一日で読了。イタリア文学史の中ではネオレアリズモという範疇らしい。全体の印象はジョルジュ・サンドの「笛師の群れ」を思い出させたが、amok的な行動を…

ブッデンブローク家の人々

60歳、再びマンから始めよう ブッデンブローク家の人びと〈上〉 (岩波文庫) 作者:トーマス マン 発売日: 1969/09/16 メディア: 文庫 トーマス・マン「ブッデンブローク家の人々」全三巻を読了。 「魔の山」を2003年の5月に読んでおり、その頃から日記…

ネガティブ・ケイパビリティ

答えのでない状態を耐える ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書) 作者:帚木蓬生 発売日: 2017/04/10 メディア: 単行本 一昨日買った「ネガティブ・ケイパビリティ」を読了。うーん、この用語に巡り会えたことは良かったが、帚…

応仁の乱

既得権の奪い合い 応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 作者:呉座 勇一 発売日: 2016/10/25 メディア: 新書 室町時代への理解が深まる。すべての根っこには地位であったり経済であったりの既得権益をどう繋いでいくかにある。その過程で権益が束ねら…

具体と抽象

ま、世界は変わらんわな 具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ 作者:細谷 功 発売日: 2014/11/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) 結局、具体世界に生きるのがヤンキーということなんだね。それが悪いということはない。具体世界がないと生きては…

ある病気の運命

学んでもコロナ ある病気の運命―結核との闘いから何を学ぶか 作者:茂一, 砂原,敏, 上田 メディア: 単行本 結核が制圧されたのがまさに自分の幼少期で、そんな昔のことではないと気付かされる。現代の疫学に通じるさまざまなことが結核との闘いの中で開発され…

田中克彦自伝

アクの強そうな・・・ 田中克彦自伝: あの時代、あの人びと 作者:克彦, 田中 発売日: 2016/12/09 メディア: 単行本 田中克彦自伝を読む。おもしろいのは、悪口も平気で書いているからか。率直である。若くして、人生の意味をエセーに感じるところなどよい。…

英語襲来と日本人

先行者は常にいる 英語襲来と日本人- 今なお続く苦悶と狂乱 (中公文庫) 作者:斎藤 兆史 発売日: 2017/01/19 メディア: 文庫 万次郎の会で竹内さんが回覧してくれた本。この本に万次郎の語学力について書かれているが、これはまさにぼくが会報に書いたものと…

そして神戸で電子書籍

神戸への完全転居を2週間後にひかえ、ブログの場所もHatenaにリニューアルすることにした。プライベートな日記は10年以上書いているので、ブログとどう切り分けるのか。仕事以外に力を入れていることは「本」「囲碁」「歴史」あたり。 普通の還暦前のオッ…

ノモンハン戦争

戦う言語学者田中克彦 ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書) 作者:田中 克彦 発売日: 2009/06/19 メディア: 新書 自分の中で意識できていなかった、ロシア革命から人民中国の間のそして現在にいたるモンゴルの歴史を知る。そのことだけではなく、本流…

別れの手続き

あわあわとした時間 別れの手続き――山田稔散文選 (大人の本棚) 作者:山田 稔 発売日: 2011/05/11 メディア: 単行本 ブログ「本はねころんで」 から。このブログで触発されて読む本が多く、あたりも多い。この本も、よい。門司生まれ、京大仏文。ぼくより27歳…

アメリカン・ハッスル

ブラッドリー・クーパーの時代到来? アメリカン・ハッスル(字幕版) 発売日: 2014/07/02 メディア: Prime Video なかなかしぶいコメディ。ぶっ飛んでるバカ女を演じているのはジェニファー・ローレンスだったのね。そういえばFBIの捜査官を演じるブラッド…

カルタゴ 消えた商人の帝国

服部伸六という書斎人 カルタゴ―消えた商人の帝国 (現代教養文庫) 作者:服部 伸六 メディア: 文庫 カルタゴ自体にも興味はあるのだが、これを書いている服部伸六という人の経歴を調べてみると思しろい。串間の出身、詩作もやりながら、外務省勤務(キャリア…