El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

飛田でいきる

Kindle本の軽さに救われ 飛田で生きる: 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 (徳間文庫カレッジ) 作者:杉坂 圭介 発売日: 2014/10/03 メディア: 文庫 「最後の色街 飛田」では何か消化不良。飛田の本当のところが結局はわからない。ということでKindle本…

日本人はいつから働きすぎになったのか

私は働かない!と強く思う 日本人はいつから働きすぎになったのか (平凡社新書) 作者:礫川 全次 発売日: 2014/08/18 メディア: 新書 「独学」「在野学」の礫川氏。これは面白い。ネガティブな意味としての勤勉の誕生。できるだけさぼりたい定年期にはいって…

夜の靴・上海

もうこのあたりの小説はKindleのほうが読める 夜の靴 ——木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 作者:横光 利一 発売日: 2012/10/04 メディア: Kindle版 「来る日も来る日も同じことを繰り返している農業という労働。しかし、仔細に見ていると少しずつ労働…

旅愁

Kindleで横光利一を読む一週間に 旅愁 作者:横光 利一 発売日: 2012/09/13 メディア: Kindle版 「旅愁」(Kindle本)。大部なものなのだろうがKindle本でこの長編を読みおえた。ヨーロッパ・ソビエト・日本・日本の中の郷里、タイトル通り「旅の愁い」は様々…

老後破産 長寿という悪夢

親の長寿のほがより悪夢 老後破産: ―長寿という悪夢― (新潮文庫) 作者:NHKスペシャル取材班 発売日: 2018/01/27 メディア: 文庫 話題の本なのでザッピング程度に目を通す。率直な感想は、親のために自分自身が老後破産になることだけは避けなければならない…

べつの言葉で

バイリンガル者の内なる言語対立 べつの言葉で (新潮クレスト・ブックス) 作者:ジュンパ ラヒリ 発売日: 2015/09/30 メディア: ペーパーバック バイリンガルあるいはセミリンガルという言語状態に興味を持っている評者にとって、ジュンパ・ラヒリがベンガル…

マンネリズムのすすめ

マンネリズム肯定派! マンネリズムのすすめ (平凡社新書) 作者:丘沢静也 発売日: 1999/06/16 メディア: オンデマンド (ペーパーバック) 「タモリ論」から「マンネリズム」へと意識が移り、長年の愛読書である丘沢静也の本書を読み返す。彼が出している「下…

打ちのめされるようなすごい本

だれも死を直視できない がん民間療法を静かに告発する本 打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫) 作者:米原 万里 発売日: 2009/05/08 メディア: 文庫 書評集なのではあるが、リアルタイムで才媛米原万里が「がん」と格闘しながらついには死に至る・・・そ…

タモリ論

マンネリズムの偉大さ タモリ論 (新潮新書) 作者:樋口 毅宏 発売日: 2013/07/13 メディア: 新書 タモリや同時代の芸人についてのウンチク本ともいえるが、評者の人生と重ね合わせると、タモリが30年以上「いいとも」をやってきたことの偉業さを気づかせて…

大阪おもい

坪ちゃんの大阪情報 大阪おもい 作者:坪内祐三 発売日: 2007/09/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) 大阪情報メモ 大阪ずし「たこ竹」。この店ではない本福寿司という店が激賞されていたのだが閉店していて、ならばと調べるとこの「たこ竹」 ラーメン「揚…