免疫学、学びなおしはまずこの一冊
免疫学がむずかしい!なぜなら、大学で30年以上前に教わったことと全然違うから。当時は実験室レベルでウェスタンブロッティングだとか細胞融合でモノクローナル抗体をつくり始めた・・というレベルだった。
今の免疫学の教科書を開くと、toll-like-receptor(TLR)やリンパ球の表面マーカーとしてのCD4とかCD8というタームがいきなり説明なしに出てくるので、ああこれらのタームはいまどきの医師にはコモンセンスなんだろうな、と思うだけでもう億劫になる。・・・というようなことはありませんか?
そこで、いろいろ探してみて「これは!」と思ったのがこの本「休み時間の免疫学」。95のテーマ(ステージ)が見開き2ページ10分という設定で、ほぼ何も知らないところから例えば医学部の卒業試験レベルまで自習できます。途中途中にミニテストがあるので、そこで答えられるくらいの知識は頭に入れておく必要があるということもわかる。
全体は三部にわかれていてChapter1-3で実際の体内の免疫反応の流れを理解し、Capter4-7ではその免疫反応に登場するプレーヤーたちを詳細解説、Chapter8-9では免疫による疾患を学ぶ、という構成。最後に、医師や臨床検査技師の国師問題から免疫に関するものをセレクトした問題集でブラッシュ・アップ。
大事なことは何度も何度も出てくるので覚えますね、さすがに。初版が13年前に書かれたらしいのですが、著者の齋藤先生はかなり力を入れて改訂をしてくれてすでに第3版。独特のあじわいさえ醸し出してきています。
医療関係者・学生向けだと思いますが、2200円(10%税込み)で一般書並みのお値段で免疫学がひととおりわかるのでお得感あります。お薦めです。
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